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佐藤(佐久間)りかさん
DIPEx-Japan事務局
長い間、婦人科疾患の自助グループで電話やメールによる相談を受けてきました。その中で感じるのは、治療法の選択肢が増えているにもかかわらず、患者には自己決定するのに十分な情報が与えられてないということです。特に慢性疾患では、選択の幅は経過観察から臓器の摘出に至るまで極めて幅広く、いきなりその中から選べといわれても、患者は当惑してしまうことが少なくありません。
確かに最近は患者もインターネットを駆使して情報収集することができるようになってきました。けれども、ネットは情報の大海原ですから、誰もが上手に泳ぎ渡れるとは限りません。闘病生活は一種の遠泳のようなもので、ネットや書籍、口コミといった様々な情報の海で溺れてしまわないためには、伴走船が必要です。
患者会などでは、互いに互いを励まし支えあいながら泳いでいくわけですが、そうした支えを身近に見つけられないとき、あるいはあまりにも波が荒いとき、つまり情報が錯綜して判断がつけにくいときには、同じ水の中にいるわけではないけれど、声の届くところ、いざとなったら手も届くところにいる第三者にサポートしてもらうことが大事です。
そういう意味で医療コーディネイターは、伴走船のように患者を支援してくれる存在なのではないかと思います。溺れかけたときに浮き輪を投げ入れるだけでなく、上手にペース配分して、本人の力でできるだけ遠くまで泳いでいけるように、アドバイスしてもらえる。そんな支援を期待しています。
徳山 磨貴さん
兵庫県立西宮病院医療相談室 メディカルソーシャルワーカー
医療コーディネーターのお仕事は、病院で働いている私自身も、正直よく知りませんでした。岩本ゆりさんに出会い、その活動内容などを聞かせていただく中で、初めて具体的なイメージがつかめました。
私自身は、医療ソーシャルワーカーとして、病院のスタッフでありながらも、「医療」を専門とするのではなく、「社会福祉」を専門とする立場、すなわち患者さん・家族の「心とくらし」を中心にとらえ、支援させていただくことを仕事としています。その中で、患者さんやご家族の病院の方針や医療スタッフの対応に対する本音や、とまどいを耳にする機会が多いのです。
患者さん、ご家族の多くは医療スタッフに対する気遣いや医師に対する遠慮から、その人らしい医療をうけるチャンスを逃してしまっていることが多く、非常に残念に感じます。そのようなとき、医療コーディネーターが、患者や家族のもともと持っておられる力を引き出し、さらに専門的知識をもって、患者さん・ご家族の問題を共に整理・解決されるお手伝いをして下されば、より患者さんはその人のライフスタイルにあった、その人らしい医療を選択することができると思います。
将来的には、病院の相談窓口になる、医療ソーシャルワーカーと医療コーディネーターの連携がもてるようになればと思います。全国で、このような取り組みが広がっていき、今後一層ご活躍の場が増えますことを心から願っています。