第4回NON定例会の報告 (伴和美・岩本ゆり)

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開催日・場所

2007年1月28日(日)、東京

参加者

12名(相談員、看護師、助産師、医療コーディネーター、ジャーナリスト、医療コミュニケーション研究者、医療ソーシャルワーカー、患者家族)

ゲスト:加藤麻樹子さん
がんCNS(がん専門看護師)候補生。現在、東大和病院 がん相談支援センター 緩和ケアチームを兼務中。

テーマ/内容

1.「国立がんセンター独法化について」

参考資料
国立がんセンターは必要か
米国の「がん情報センター」の中枢を知る
静岡がんセンター、患者の悩みQ&Aをウエブ公開

2.「がんCNS(がん専門看護師)候補生の方から『がん看護』について 」

ゲストの加藤さんからお話を伺い、それを元に意見交換。

意見交換から

1.「国立がんセンター独法化について」

国立がんセンターが、独立行政法人化(独法化)されることを今回初めて知った人 10名

今回は、独法化の是非を問うというより、事前資料を読んで独法化することについてどう思うか、について意見を述べた。そのため、賛成・反対だけはなく、国立がんセンターについてどう思うか、という意見も多かった。そこで、賛成(ポジティブな)意見、反対(ネガティブな)意見に分けて紹介する。

賛成

*参加者の話を聞いて、国立がんセンターは治る人しか治さない、という事実に驚いた。誰でも治してく れるところだと思っていた。国の機関として補助金をもらっても、そのお金をその後どう使うかは病院し だい。そのなれの果てが、市民のニーズと離れてしまっている今の国立がんセンターではないだろう 
 か。独法化して自助努力を促すことに賛成。
*患者仲間の間で、国立がんセンターについて良い話を聞いたことがない。無理な治験で殺される。人 工肛門をつけないですむように手術をしてくれない。手術をする際、治験に参加するなら手術の順番を 早くすると言われた。などなど。独法化したら今のままでは競争に負けるだろう。だから、独法化する  ことに賛成。でも、そのために治験をする施設がなくなることは結果的には患者のためにならないので はないか?とも懸念している。それは困る。
*国立がんセンターは臨床部門を持つ必要性があるのだろうか?そうであれば、地域との連携は現実 的にできるのだろうか?地方からきている患者さんも多く、全てを網羅するのは無理があるのではな  いだろうか。臨床も研究も両方を一つの病院が極めることは難しいだろう。どちらも片手間では出来な い。そうであれば、現在日本各地で研究は既に行われているのだから、研究機関としてがんセンター が残るのは反対。臨床を追及する場所として残るのは賛成。

                            
反対
*国立がんセンターだけではなく、大学病院も、がん難民を作っているところ。特に頭頚部のがんのよう に、ボディイメージの変化が大きい部位の人や、患部のガーゼ交換が頻繁な人、転移があって下半身 が動かない人、自身で排泄が出来ずトイレ介助が必要な人、などなど、手間のかかる人は転院を余  儀なくされる(5年程前の状況)。国立がんセンターは、おいしいところ取りの医療をしているというイメ ージがある。患者は、このような状況で転院を迫られると、その後の人生に希望や目標を持つことは  難しい。
*国立がんセンターは、外部に向けて何が出来て何ができないかを明示していない。出来ないところは 出来ないと言わないと世間に誤解されてしまう。国立がんセンターで治験を受けようとしていても、そ  の対象外となってしまった患者さんについても、説明が不十分で、断り方が下手なために恨まれてし まうケースも多い。
*国立がんセンターは、地域との連携が下手。患者さんの検査結果が、地域の医療機関の手元に届く まで2週間もの時間がかかることがある。
*患者に医療の基本的な知識がないと、医療に参加ができない。独法化しても国立がんセンターだけ が情報提供をしているのではだめだろう。もっと情報提供に関する環境や情報を整えなくてはいけな  い。
*国立がんセンターには、他の病院とは違う慣習がある。それを病院外の人たちは知らない。例えば地 域連携。病院が連携先を探すのでがなく、家族にお任せが当たり前である。
*最近は地域との連携強化が国の施策。でも、国立がんセンターが独法化され、営利に走ると、今でも 出来ていないのに、どこまで出来るかは不明。
*国立がんセンターは政策医療を担っている病院である。そのため、診療報酬を意識しており、その縛 りで急性期医療を行うことを意識している。独法化で慣習の縛りが取れるのだろうか?ここ一年で相  談室が出来たり、在宅との連携を進めるなど、内部は変化してきているのを実感する。
*再発したら次の病院へ行きなさい、というのは、よく考えればその先は自分で決められるということで もある。しかし、自分で病院を選ぶこと自体が、現在問題となっている。つまりは、医療が体系化され ていないことが問題。その点に関して、国はどこまで責任を持つのか?連携のスペシャリストが次は  どこへ行くのかを示してくれれば良いのでは?
*患者家族の立場としては、治療法がないため別の病院へいきないさいと言われ、その上説明不足だ と不安・不満を持ってしまう。最近は競争で専門性のあるところが残るから、そのうち連携も良いところ が残っていくのではないか。看護師の教育システムが欲しいと病院管理者から仕事で言われる。看  護師のシステムも患者にPRしていく必要がある。
*民間病院では会社から補助金が入る。その分、会社が下向くと職員の給料も減額する。大学病院で も研究をしないとお金が入ってこないことを知る必要がある。
*司令塔としてのがんセンターに期待している。それが出来ないのなら、独法化は反対。
 臨床への期待は少ない。一つの場所でスタンダードを作る。情報を提供するという場所が必要。

2. CNS(がん専門看護師)候補生の方から『がん看護』について

≪加藤さんからのお話の要約≫
 11歳の時に、父が食道癌に罹患し、壮絶ながん闘病(1年)を送り、永眠。その時の、体験から看護師を目指す。10数年後、看護師として大学病院の外科病棟に勤務。がん性疼痛を訴える患者さんの多さ、それに対するケアのなさに驚愕。10年前と、何も変わっていない状況にショックを受ける。その後、訪問看護、在宅ターミナルを経験。病院と家での患者さんの表情の違いを目の当たりにする。産まれるのも死ぬのも家がいいと感じる。その後、疼痛緩和の方法を学びたくホスピスに就職。
難しい状況はどこの場でもあると気づく。そして、がん看護専門看護師を目指し大学院へ進学。がん看護=終末期ではなく、一般病院でもがん患者さんはいる。できることをしたいと思い、一般病院へ就職。事例紹介(緩和ケアが治療当初からなされていない状況で、治療から緩和へのギアチェンジ時の援助、独居の方への援助)。患者さんは、がんである心の苦しみを受け止めてもらえる場がない。がんのデイホスピスの必要性を痛感。本人への希望確認、情報提供、家族やコメディカルとの連携の大切さを感じる。緩和≠死と思われていない現状。患者さん、家族のみならず医療者の中にもそう思っている人がいる現状。今後、緩和ケアについて公開講座の開催や師長と連携を組み、がんと診断された時から「がん相談支援Ns」とかかわる予定。

≪気づき・まとめ≫
・一人ひとりが異なる病状、人生観にあって治療や療養環境を型にはめることはできない。その人のベ ストマッチな環境を他人が決めることはできない。だからこそ、気持ちの確認を行うことが大切。
・患者さんの気持ちの確認はもちろん大切だが、残される家族の気持ちも大切にしたい。
・患者・家族もどうなるかわからない状況を楽しめる柔軟性を持ちたい。
・情報はあっても整理ができないので、一緒に考えてくれる人がいて欲しい。
・治療や今後の生き方について、これまで決断しながら生きてこられた人はできるかもしれないが、そう してこられなかった人は、他人にゆだねてしまうかもしれない。
・相手に変わって欲しいと誰もが思っているが、他人を変えることは難しい。ある時、自分の気持ちが変 わっていることに気がつき、楽になることがある。
・他人を家にいれることに抵抗感ある人もいる。
・看取れる体制をどう作るかが課題。
・独居の問題、孤独死は認められない。関係機関の関わりにより、死に場所が決まってしまい、本人の 意思の尊重がなされていない。⇒意志を尊重される環境、制度が必要。
・ホスピスでないと症状コントロールしてもらえないということがおかしい。一般病棟でも外来でも行っえ ることが当たり前になって欲しい。
・治療初期からの緩和ケアを行って欲しい、行っていきたい。
・精神科医のかかわりがもっと必要。また、診療科の名称の工夫も必要。
・相談支援センターの活躍に期待したい。
・患者さんを集中させるメリットに、患者同士の時間の流れが似ており、そわそわしないというメリットが ある。

コメント(1)

先日はコメントありがとうございました。

看護職+αで働くことについて、また女性として子育てと仕事についてなどいろいろ考えていたところなので、このブログの方針はとてもいいなと思いました。

深く細やかな対応が出来るような
専門性を高めながら、そんなことができる環境作りが出来たらいいなと思いますが具体的には悩みっぱなしです。

また更新楽しみにしてますね?。

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