『在宅ケア』に関する360度カンファレンス 第1回 (岩本貴)

| コメント(0)

5月22日(月)13:30?16:00『在宅ケア』に関する360度カンファレンス 第1回実施しました。

参加者は患者家族2名、看護師4名、ケアマネジャー1名、介護福祉士1名そしてファシリテーターの私を含め9人で開催しました。また、PT(理学療法士)の方が事前に意見を寄せてくださったのでそちらも紹介しました。

まずはそれぞれの立場で『在宅ケア』に関しての課題をあげました。普段知っているようで知らない他の立場の方の本音は”なるほど”と思えるものがありました。以下に紹介します。

【良い面】

リハビリは希望、尊厳につながる
・リハビリは希望尊厳につながる

生活環境によってはADLが上がる
・動かざるをえない環境になればADLが向上する
・在宅でがんばって看ていてもカルテ情報が連携されず入院することで悪化することがある(医療度が高い場合)

患者、家族の体力的、精神的負担軽減
・ケアしに来てくれるので病院に出向く苦労がいらない
・家族の体力、精神面での負担軽減。金銭面では概して負担増加。
・在宅で十分な看護が出来ない場合でも、患者にとっては精神面で在宅が良い場合がある。
・在宅で操管チューブを交換できるので、わざわざ病院へ行く必要ないので、お金も体力も節約できる。

死の準備教育になる
・家族に病気や死など負の事実を知ってもらうことができる。
・死の準備教育となる。

患者が自分らしくいられる
・自分の好きなことを好きな時にすることができる。自分らしくいられる。
・在宅ケアがあることで本人が望んだ家で看取ることができた。
・自分らしい生活を気ままに送れる。時間、食事など。
・家族と過ごすことで安心感を得られる。
・家族と住み慣れた場所で過ごせる。

患者にとって良いサービスを受けることができる
・いつも同じスタッフが関るため、患者とスタッフの距離が近くなる。気心が知れる。
・相談できる人が来てくれるので、利用できる社会資源を知ることができるし、話し相手にもなる。
・病院では医療者が患者に対してサービス精神が不足している。
・患者、家族が必要な時にサービスを受けることができる。

【悪い面】

本人に精神的負担がかかる
・患者が自分の話をしていいのかわからず悩む場合がある。
・ケアをしてくれる人の声に傷つく。
・患者にとって身体的ケアのみならず精神的ケアも必要。
・介護している患者家族に対する精神的サポートが必要。
・患者が人の手を煩わせていると思ってしまうこと。
・家族が訪問しなくなる場合がある。介護放棄。
・患者の責任が重い。何かあったとき(急変など)、それに気付くことが出来るか不安。
・知らない人が家の中に入ってくるのはそもそも好きでない。

家族へ精神的、肉体的に負担がかかる
・たんの吸引は家族以外は看護師でなければやってもらえない。ヘルパーは×。
・ヘルパーのできる医療行為を増やし、家族の負担を減らしてもらいたい。
・家族が少ない場合、24時間在宅で看るのは体力的に大変。
・排泄の援助に苦労している介護人が多い。
・介護者の時間がずいぶんと拘束される。
・老々介護では体力的にきつい。
・家族は外出できない、寝不足になる、プライバシーがなくなるなどの大きな負担がかかる。
・医師の説明不足で、介護中の突発的な出来事(痙攣など)への対処が出来ず不安になった
・家族の不安や悩みはケアされていない
・介護者の毎日の負担が大きく、患者の生死を深く考えることが出来なくなる

家族への金銭的負担
・在宅での介護費用は病院に較べて高額になる

患者の思いがサービスに反映されない
・患者、家族が今後どのようなサービスを必要と考えるか、医療者に伝わらない。
・メインの介護者の思いが優先される

利用できるサービスが分かりづらい
・在宅ではどんなサービスが受けられるのか、誰も教えてくれないため分からない
・在宅で受けられるサービスについてどこに申し込みをするのか分からない
・介護用品を簡単に手に入れることが出来ない
・人によって、在宅で受けられるサービス内容の知識に偏りがある
・在宅で受けられるサービスについて理解している人としていない人とでは、受けられるサービスに差が出てくる
・家族は患者の介護に精一杯で必要な知識を得る余裕がない
・他の専門職の役割が分からず、頼みごとがしづらい
・在宅でサービスを受けるのに掛かる費用、使えるサービスなどが明らかではない

生活環境によってはADLが下がる
・在宅ケアは設備が整っていないので工夫が必要。
・生活環境によってはADLが下がる
・患者のレベルにもよりますが、セラピーの種類が限られてしまう。病院のリハビリ室では行えるが、在宅だとスペース・道具の不備が出てしまう。上肢は意外とまかなえる。立位→歩行へのリハビリに、例えば平行棒(または変わるもの)などが大きな山となる。しかし、家によっては十分病院よりも利用できるものがある。机や壁の配置で。
・家族へのフィードバックが困難。
・リスクの大きな場合の対応策が限られてしまう。(ぎりぎりのラインでのセラピーが困難)
・生活リズムの全体像が把握しづらい
・その時点、時点に合った整備(家屋構造など)が困難

ケアマネジャーの質で受けるサービスが異なる
・事業所からの圧力で、介護機器などの提案が中立的でない場合がある。事業所の儲けになるものを販売してしまう。
・ケアマネにより受けるサービスが違う。
・ケアマネのバックグラウンドが多様で人材のミスマッチが起きる。例えば介護と看護は大きな違い。
・ケアマネの仕事の範囲が広すぎる。

介護スタッフの質で受けるサービスが異なる
・ほとんどの場合一人で訪問なので力量が問われる
・ヘルパーの認識の低さが在宅ケアを続けることを難しくさせている場合がある。
・人不足からヘルパーが固定されず色々な人が来る。
・相手次第で患者に遠慮が出てしまい声がでない場合がある。


医療者の質で受けるサービスが異なる
・一人暮らしでもがんなどの在宅ケアは可能なのだろうか。
・医師の考え方に周りの職種が振り回されることがある。
・医療者の説明が下手でよく理解できない場合がある。1回で終わりでは気持ちの変化に対応できない。
・痙攣すると誰も在宅で看てくれない。施設の場合、一旦入所すれば介護士が慣れていて看てくれる場合がある。
・胃ろう造設が出来る

医療依存度の高い人へのケアが困難
・在宅に関る地域の医療者、ケアする人が近くにいるのだろうか?

医療者と介護スタッフ、病院とステーションとの連携が悪く、サービスの質低下を招いている
・病院主治医からの引継ぎが悪く、患者が何度の同じ説明をしなければならない。さもないと適切な治療が受けられない。
・思ったようなケアプランが作成されない。介護スタッフと看護の連携問題。

ボランティアの質と量の確保
・在宅でのボランティアの役割が不透明
・もっとボランティアを活用できないのだろうか

国の制度の問題で受けることが出来るサービスが限られる
・医療が進歩したことで在宅が可能になったが、医療的ケアが必要なため、家で診る人がいない
・病院から退院しろといわれるが、在宅では介護力がない
・在宅においての医療行為は誰がどこまでやっていいのか分からない
・医療依存度が高い患者さんほど、ショートステイ先の確保が困難
・ヘルパーを頼むにも時間的・経済的な制約があり、十分患者にして上げられないもどかしさがある
・医療保険、介護保険、身体障害者福祉法など多くの制度があり、全体を教えてくれる人がいないため、制度に振り回される
・資格(看護師・介護師など)や立場(家族)によって行えるケアの内容が違うため不便
・在宅血液透析など高度医療は在宅でも行えるが保障支援が少なく高額になる
 


次回は以下の3つの課題について”理想的ケア”そして”現実的ケアの設計”を行います。
※広く浅くではなく1つのものを深く掘り下げるという考えです。参加者の関心が高いものを選びました。


・ 医療者と介護スタッフ、病院とステーションとの連携が悪く、サービスの質低下を招いている
・ 利用できるサービスが分かりづらい。
・ 家族へ精神的、肉体的に負担がかかる。

コメントする