『いのちの授業』小平市を終えて (廣澤直美)

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2005年11月5日(土)小平第二小学校 道徳授業地区公開講座で「いのち授業」が行われました。
講師は、東邦医大で病気の子を持つ親の会の前代表をされていた高橋希美さんでした。高橋さんの3番目のお子さんの周平君は2才で白血病となり、治療、骨髄移植をしましたが、5才で亡くなりました。その経験を主にお話をなさいました。


授業は、2校時に1年?3年生の児童と若草学級(心身障害学級)の保護者に向けて、
3校時は4年?6年の児童と保護者に向けて行われ、全児童約580名、保護者・地域の方約300名の併せて900名以上の聴衆に対して行われました。

低学年に向けては、病院に入院している子どもたちのこと、6つの大切なこととして「強い心」「大切な今日」「ありがとうを集めよう」など、体験を下に話しました。病気のことは、学校との事前の打ち合わせの中で、死を直接連想させることは避けていこうという話し合いがもたれ、深くは触れませんでした。ところが、子どもたちから「病気は何ですか」「薬は毎日飲んだの」「お母さんの気持ちは」など、周平君に何がおこったのか、どんな治療をしたのか、どんな気持ちなのかという質問の手が挙がりました。
3校時までの休み時間、校長先生、副校長先生から「子ども達は周平君やお母さんの気持ちを話すところでぱっと集中して空気が変わります」「もっとお母さんの感じたこと、周ちゃんの様子をたくさんお話して下さい」とアドバイスを頂きました。

高学年への話は、病名や繰り返しの治療、病気に負けない、一生懸命毎日生きる周平君の様子、我慢していた小学生の姉・兄のこと、4才で入園した幼稚園。その幼稚園で先生は周ちゃんのお腹をみんなに見せて病気と一生懸命に戦った話をし、体はとても大切とみんなに話し、4才児の持っている優しい心を引き出したこと、知らない中学生が振り返り笑ったことで、「なぜ?笑われるようなことはしていないのに」というお母さんの辛い思いなど、具体的に語りかけました。
血液型がB型の周ちゃんがA型のお兄ちゃんから骨髄移植をしたら、血液型は何型になったかと聞くと、「AB型」と答える子ども。「A+Bだものね。でも血液を作る工場が変わったからA型になったの」「へぇ?!」と驚く子ども達。
子ども達は話を聞くうちに、きっと周平君が弟のように思えてきたのではないでしょうか。一時間あまりを身動きもせず耳で心で聴いてくれたように思います。

いのちの授業の後は、各学年クラス毎に、担任の先生がそれぞれ資料を準備して、高橋さんのお話を生かしての道徳の授業に取り組みました。担任の先生方は授業の後に、「4校時は、初め子ども達は泣いて授業になりませんでした。」「私は病気の子を受け持って、亡くした経験があります」と声を掛けて下さいました。子ども達は、後の授業で何を感じ、言葉にして表現してくれたのでしょうか。言葉にはならない大切なこともずっと持ち続けてくれるかもしれません。校長先生は「子供たちが、
今後何かにぶつかった時のヒントになるのでは」と話されていました。

最近は、「自分のことしか考えない、人のことは考えられない」子どもが増えていると言われますが、それはただ経験の積み重ねが少ないために起こっていることなのではないかと感じました。
あの子供たちのまっすぐな目、話を聞く心を持っていることを知って、今後に希望を持っています。
(東邦大学医療センター 病気の子を持つ親の会 「ひだまり」副代表 廣澤直美)

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