「イレッサ使用規制せず」 (岩本ゆり)

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イレッサ:肺がん治療薬「使用規制せず」 厚労省検討会

この結論、どっちに転んでも難しい問題です。
海外で認可されている効果の高い抗がん剤を早期認証して欲しいがん患者さんは、イレッサのように早期認証された薬が使用中止になれば、今後治験が進まなくなること、未承認薬の早期承認が遅れることを心配します。
しかし、遺族側は虚偽の副作用報告をした薬屋さん、自己規制が甘いまま投与し、その後のフォローが出来ていなかった医療者、それを放置した政治家の責任を問題にしています。

「がん患者の延命効果が見られず、腫瘍の縮小効果は見られるため効果はない」との報道もありますが、現存する抗がん剤の中で、一体どれだけの薬ががんの末期の人に対して「延命効果」を期待して処方されているのでしょうか。「縮小効果」があれば充分。ない可能性が高いと言う中で、皆、戦っているのです。そもそもゲフィチニブが分子標的約といえるのか?と言うところから議論は別れています。

何が患者さんのためなのか、、、苦渋の選択を強いられる問題です。


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毎日新聞 2005年1月20日 19時18分より 全文

肺がん治療薬「ゲフィチニブ」(商品名・イレッサ)に延命効果はないとの臨床試験結果が出た問題で、厚生労働省は20日に開いた検討会で「使用を制限するなどの規制は当面必要ない」との方針を決めた。東洋人には延命効果があると見られるデータが出ていることなどが根拠。この日は副作用が疑われる死亡例が588人に達していることも報告された。欧米では使用制限の動きが進んでおり、患者の遺族などから批判が上がっている。

 検討会は、製造・販売元のアストラゼネカ社(本社・英国)が昨年末に公表した臨床試験の結果について、(1)臨床試験の対象者のうち、マレーシアやフィリピンなどの東洋人には生存期間が延長したと見られる結果が出た(2)国内では投与開始後4週間は患者を入院させるなどの安全対策が取られている(3)安全性などの点でより詳しい解析が必要??などから、現時点で使用を制限する必要性は乏しいと結論付けた。

 これに対し、群馬大大学院医学系研究科教授の堀内龍也委員は「患者の遺伝子解析を行い、危険性が低いと判断された場合だけに使用すべきだ」と主張したが、現時点で患者を制限するまでの根拠はないとして受け入れられなかった。

 イレッサは02年7月に世界に先駆けて日本で販売され、昨年末までの間に国内で推定8万6800人が使用。厚労省によると、この間に間質性肺炎などの副作用が見られたとの報告があったのは1473人。死亡者は昨年3月時点で444人だったが、100人以上増えた。死亡した2人の患者の遺族から国とア社に損害賠償を求める訴訟も起こされている。

 ア社は臨床試験の結果を受け、今月4日に欧州医薬品審査庁(EMEA)への承認申請を取り下げたほか、米国食品医薬品局(FDA)も昨年末、回収を視野に入れた規制をする方針を表明。国内の服用者の遺族らも厚労省に早急な使用中止を求めていた。

 ア社は3月までに臨床試験の詳細な分析結果をまとめて厚労省に報告するとしており、同省はその時点で改めて検討会を開き、対応を協議する。【須山勉】

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